きのうきょうと、全国のアナウンス責任者会議に出席するため、東京・TBSへ出張でした。
全国のアナウンサーが集まると、必ず話題に出てくるのが、ことばの「アクセント」です。

たとえば、ゆるキャラで全国1位になった「クマモン」の読み方ですが、
わたしたちは、「くしくも」のように、「ク」にアクセントをおいて、マモンと読んでいます。
でも熊本の放送局のかたによると、
「よそもん」と同じように平坦なアクセントで読むんだそうです。

また、沖縄の魔よけの置物「シーサー」、わたしたちは「しいたけ」のように、
「シ」にアクセントを置いて、「ーサー」と読んでいますが、沖縄の放送局のかたによると、
正しくは、「ジーパン」のように平坦なアクセントで読むそうです。

そんな話をしていると、こんどは、北海道の局のかたが。
「夕張(ゆうばり)」のアクセントも、地元では違うんですよ、と。
全国の人は「ユーカリ」のように平坦に読みますが、地元では「ユ」にアクセントをおいて
読んでいるので、地元に人からそう読んでくださいって言われるんですよ・・・
という話をしていました。

アナウンサーという職業の人は、ほぼ全員、NHKが出した「アクセント辞典」をもち、
それをもとに、全国ほぼ統一されたアクセントで、ことばをアナウンスしています。
しかし、人の名前などの固有名詞や、新しい言葉など、どういったアクセントで読んでいいか
わからないときは、直接、当事者に、読み方を聞くのを鉄則にしています。
自分の名前とか、住んでる地名とか、文字はあっていてもアクセントが違うと、
なんだかむずがゆいような感覚になりますもんね。

そうそう、松山市の野志市長の名前の読み方(アクセント)ですが、
「ぬし」のように、「の」にアクセントを置くのか、それとも、
「西=にし」のように、平坦なアクセントで読むのか。
県内の多くの局では後者の読み方が多いようです。
わたしは以前、どちらなのかご本人に伺ったことがあります。
ご本人いわく、「本当は、「の」にアクセントを置いた「し」なんですが、
どういう読み方でもいいですよ」と言われていました。

なので、南海放送のアナウンサーは、「の」にアクセントを置いた読み方をしています。
いろいろと聞き比べてみるのも、面白いかも。