←JR高松駅降りると、松山負けた…と感じるんだな。

金曜日は、高松への泊まり出張でした。
松山から高松までJRで移動し、会議の時間までに、美味しいうどんでもすすっていこう、と思っていましたが、なんとひどい乗り物酔いにかかってしまい、断念。
もともと乗り物には弱く、1時間以上も公共交通機関に乗っていると酔ってしまうため、「全国をかっこよく飛び回るビジネスマン」なんてほど遠い、ひどくドメスティックな体質なのです。(某永江先輩は、昔、もぎたての取材で、どんな山道だろうが、がたがたの未舗装道だろうが、涼しい顔で文庫本を読んでいました。屈強な体質がうらやましい。)

中四国各局のアナウンス責任者が集まる会議が終わると、懇親会です。
席上、移動のJRでひどく酔った話をすると、「四国のJRは、振り子式といって、スピードを落とさずカーブを回るために、自然の遠心力ではなく、強制的に車体横倒しの角度をつけているから、けっこう酔う人が多いんですよ」と教えてくれたのは、山口放送の渡辺三千彦アナウンサー。
車両に乗ると、まず、先頭から最後尾まで歩き、社内の構造や椅子の配置などくまなく見るという渡辺アナ、時間があるときは「のぞみ」や「ひかり」にはまず乗らず、各駅に止まる「こだま」に乗るんだそうな。
いかに短時間で移動するかというのが交通機関の使命なのに、なんでわざわざ時間のかかる便にするんですか?とたずねると、「僕にとっての乗車時間は、移動時間ではなく、エンターテイメントの時間なんです」って。
少年時代の愛読書は時刻表。それもポケット版なんてもってのほかで、レギュラー(分厚くでっかいやつ)の3月号がベスト。3月号は、ダイヤ改正の前後が、黄色い増ページとなって掲載されているから、それを見ながら、今回のダイヤ改正のポイントをあれこれ考えたりしてみるのが、とても甘美な時間らしい。
そんな話をしていると、西日本放送の岸たけしアナが、「そうそう、寝台車なんかに乗っても、もったいなくて、まず寝ることはないですよね。一晩中、車両をくまなく見て回りますよね」と加勢。

2時間も、鉄道について熱く語ってくれた鉄ちゃん2名。
ぜひ、中四国ネット番組で聞かせて欲しいものです。

さて、今週の読書は、受験シーズンですね。
不景気のいま、東京の有名私大よりも、地方の国立理系、しかも資格を取れる学部が超人気、とワイドショーで言っていたので、資格の最高峰の一つ、医学部についての本を読んでみることにしました。

医学部受験の闇とカネ 長澤潔志 幻冬舎 777円
そそられるタイトルですね。

希望の大学に落ちたら、予備校に通うのが一般的ですが、一般予備校は平均で年間150万円の学費(すげっ)。医学部専門をうたう予備校となると、年間250万円から600万円!さらに、“キミはこの教科が弱いからね…”などと、「個別授業」などをすすめられ、最終的に1000万円とか2000万円(年間で!)というのもザラ…って。2000万円って、年収でそれだけ稼いでいる人がいったいどのくらいいるのか?ってレベルなのに、予備校の学費だけで、にせんまんって!!
いくらかかろうが、息子を医者にしたいという親もいるわけで、さらに「カネを積めば積むほど合格するに違いない」という不安心理を利用して、搾り取っている予備校もあるそうな。そんな親は、何年かかってもいいから医学部に、と思っているから、できない息子であればあるほど、何年もその金額を、むしり取られ続ける・・・のだそう。

国立の医学部は、6年間の学費が平均で350万。私立の医学部となると、数千万円から1億かかると言われているから、医学部専門予備校で何年も浪人して私大医学部に入ったら、いったい1人の医者を世に出すために、何億円かかるんだ?という話ですね。
(だから、国立大学医学部入試は、とんでもなく偏差値が高い。私大の医学部は、偏差値が下がるほどに学費が高くなる傾向があるが、それでも、理系としてはかなりの高偏差値)

医者になるには、それだけの金額を出せる超裕福な家庭か、普通の家庭なら、べらぼうに優秀でないと、なれないということですね。

著者は、「高収入だし、みんなから羨ましがられる職業だから、なりたい」という人ではなく、心に寄り添い、人の痛みに向き合える人に、医者になって欲しいとの思いでこの本を書いたそう。

それにしても、医者志望でなくても、日本の教育費は高すぎる・・・普通の予備校でさえ授業料150万!ただでさえ、わたしが定年退職しても、まだ高校生のたこ松。頼むから、浪人しないでくれ。わたしはしたけど。

←このまえの日曜日、10年前に亡くなった父の法要でした(写真はその後の会食)。飲んだくれで、母に迷惑ばかりかけていた父。それから開放されたと思ったら、子ザル(たこ松)の世話に追われるようになった母。不肖の娘ですんません・・・。