以前、アルバイトの大学生と話をしていて、驚いたことがあります。

「バイトしたお金で何するの?バイク買うとか、海外旅行行くとか」
「別に・・趣味(ゲーム)とか、生活で消えますね」
「バイトしたお金で、何か買いたいとか、どこか行きたいとかないの?」
「ないすね。別に今のままでいいし」―。

お金がかかるから、外でなんか飲まない。服もリサイクルショップでいい。
ブランド品なんて興味ないし、海外旅行なんてめんどくさい。
バイトなんかで自分の時間をつぶしたくないから、お金なんてそんなになくてもいい。
今あるお金の範囲で、マイペースで暮らすほうがいい。

「私たちは、今よりももっといい生活をしたいと思うから、一生懸命仕事をするんじゃない!そのブランドが似合うようなクラスになるために、頑張ってお金稼ぐんじゃない!こんなやる気のない若者ばかりだと、日本はダメになるんじゃない?」と、同僚を相手に、ため息交じりの愚痴をこぼしたものです。

この“上昇を求めない”現代の若者は、いったい何なのか…。

高木アナのデスクで見つけたこの本、さっそく拝借。
 下流の宴 林真理子 毎日新聞社

医者の娘で国立大学卒、高学歴の夫を持ち、「東京の中流の主婦」であることに、自分のプライドを置く、主人公の主婦。
しかし、大切に育ててきた息子は、高校を中退しアルバイトの身。さらに、フリーターの女の子と結婚すると言いだす、というストーリーです。

さすが、恐ろしいほど人間描写にたけた林真理子氏。

この息子が、わたしが漠然と抱いてきた、現代の若者に対する「違和感」をよく表しています。

息子は、
「“努力”は、しないといけないものなの?」
「がつがつ働くなんて、したくない」
「“頑張る”人のそばにいると、自分が見下されたり、責めているられているようで、いやだ」
そんな言葉をつぶやきます。

主人公の主婦は、47歳。私と同じ、バブル世代です。
右肩上がりの時代を生きてきたわたしたち世代にとっては、「努力をする」とか、「上を目指す」ことが働く動機になっていました。

主人公は、「頑張れば必ずいいことがある、だから努力しましょう」と、“フリーターでいい”、という息子を必死で説得しようとしますが、「“努力しろ”ばかり言う、頭のおかしい人」と、まったく相手にされません。

現代の若者には、この原理は通用しません。
「いいこと」の価値観が全く違うのですから。

「上昇を求めない」若者に対して、こうするべきだ、という結論なんてもちろんないし、きっと私たち世代は、一生かかっても理解できない「気質」かもしれません。

少なくとも、日本が、そういう価値観に変わってきているということを学ぶ上では、とても参考になった本でした。

←先週、高速道路無料化最終ということででかけた「雲の上のホテル」(高知県梼原町)。松山から1時間半強。ホテルとプール棟をつなぐ、りっぱな渡り廊下!

木をふんだんに使った室内プールは、まさにリゾート気分満載。山奥ということもあり、ほぼ貸し切り状態でした。
1泊したのですが、いつ出かけても、わたしたちを入れて、2〜3家族しかいませんでした。
なぜか素潜り特訓中のタコ松、1日目の昼・夜、2日目の朝・昼と、強化合宿のようなスケジュールで、かなりのとこまでいってました(付き合わされたわたしは、けっこう疲れましたわ)