新入社員の研修の季節です。
先日、新入社員の研修で「コミュニケーションの取り方」というコマを持たせてもらいました。
われわれのおシゴトは、「コミュニケーション力」がかなり必要とされます。
仕事相手はほとんど初対面。
取材にしてもインタビューにしても、限られた時間の中で、ポイントとなる話を引き出さなければなりません。
正しく言えば、「話を引き出す」のではなく、いかに「話していただく」か。
いいインタビュアーとは、自分の言葉を極力少なくして、相手が話す分量を最大にできる人のことをいいます。
ときどき、記者会見などでも、質問のはずなのに、自分の意見をとうとうと述べて、引き出せた答えが「いいえ」だったりする記者がいたりして、ずっこけそうになる時もあります。
どうすれば、「話したくなる」のか。
一言でいえば、「あなたになら話したくなる」ような人になれ、なんですが、難しいものです。
さて、「これからの正義の話をしよう」や「白熱教室」で一躍ブームとなった、ハーバード大学・サンデル教授の、「聞く」技術をテーマにした本
サンデル教授の対話術 マイケル・サンデル/小林正弥 NHK出版
授業というと、「教えたり」「説教したり」一方的に話すもの、というのが普通ですが、サンデル教授は、大人数を対象にした授業で「対話型」講義を実践しています。
絶妙な問いかけで、学生に自分の考えを述べさせます。
教授は、「学生のことば」を引き出す役に徹します。
「話す」という過程で、問題の焦点を明らかにして、新たな気づきを得たり、考えを深めさせるという方法です。
サンデル教授ブームは、同時に、「人間にとっての正義」や「公共」ついて考える機会を増やしました。
去年あたりから、バラエティ番組でも、「公共」とか「正義」とか「善」について考えるものが出てきましたよね。
不思議なことに、時を同じくして、「タイガーマスク現象」などが起ったりして、「助け合う」ことの暖かさを実感したりもしました。
わたしたちが、「みんなのしあわせ」について、真正面から向き合うための助走だったような気がしてなりません。
2011/04/07 木曜日 at 22:22:16
昔は、移動手段も公共交通機関だったり、電話も一家に1台で、どうしても周りに気を遣わざるをえませんでしたが、今は各自が携帯を持ち、思い立てばすぐに車で移動・・・
これでは他人の目を気にする事もないので、公共心もなかなか育ちにくいかもしれませんね。
「いかに話して頂くか」・・・私は以前、影子さんにお会いした事がありましたが、同世代という事もあって、とても気軽にお話する事が出来ました。
逆に「こんなにフランクな態度で答えてしまって、失礼に当たらないか?」と思ったくらいでした。
これはもしかして、影子さんの立場からすると「嬉しいリアクション」でしょうか? そうだとしたら光栄なのですが(苦笑)。
私自身はおしゃべりが苦手なので、せめて「聞き上手」になろうと思っています。
2011/04/09 土曜日 at 10:46:14
新入社員の季節ですね
私が働いている会社は、今治・西条・丸亀に工場が有りますが
合計40名程が入社して来ました。
今治工場には、5人が配属されて、10月迄大卒者は全職場を
巡回する研修、高卒者は周辺会社に雇用された新入社員と技術
センターでの合同研修が始まります。
今治工場に入社した人で、仙台の大学卒業者がいて、仙台空港
での津波災害に間一髪で巻き込まれずに済んだ、体験者がいる
との事です。
昨年で定年退職をして、グループの関連会社に雇用され、元の
職場に派遣されているので、新入社員の職場研修での教育は無く
なりましたが、色々な性格の若者に仕事の基礎を教えていた事を
思い出しています。
2011/04/09 土曜日 at 10:46:29
影ママへ 話し上手より、聞き上手の方が、ポンじいたちの年齢になってくると世渡り上手になるかも?ですね。今時の話題にも乏しいし、他人の話を聞くほうが楽です。お喋り上手なお年寄りもおられますが・・
テレビを観る時間が増えてますが、ラジオで聞いているのが、参考になることが多いですね。自分から話すとなると、他人の悪口も言えないし、(褒めること探してまで話すのってしんどいですから)昔から「耳どしま」っていう事を言われているように、聞き役に回った方が、知識も豊富になるし・・自分のボロも出ないし、一度言ってしまったことは取り返しのつかないことにもなり兼ねませんしね。
2011/04/10 日曜日 at 16:48:35
永野さま
新人が溢れる、この時期ならではの話題ですね、
「サンデル教授の対話術」。
自分も研修を行なう側にいるのですが、
講師としての自分にまだまだ力がなく……というところです。
どっしりとした貫禄のある講師に早くなれるよう頑張ります、
永野さんのように、ですかね。
似たような本で、「白熱教室の対話術」(TAC出版)というものもありました。
サンデル教授を見習って、
面白い対話が生み出せればなぁと思います!