なんでこの人は、自分の半径5メートルの世界でしか、ものごとを見ないんだろうか・・・
と感じたことがあり、
「そもそも半径5メートルって誰が言い出したんだろ」とググってみると、はあちゅう氏の名前が出てきた。
女子大生カリスマブロガーとして注目され、卒業後は、電通やトレンダーズで働き、現在は作家、プロデューサーなどで活躍、という女性。
現在30歳。28歳の時に書いたこの本には、帯に『はあちゅうはネット時代の聖女である』と林真理子氏の推薦コメントがある。
【半径5メートルの野望】 はあちゅう
強風(PM2.5含む)に向かって正論を叫び続けるライオン女子…。
まっすぐ突き抜けていく生き方が、気持ちいい。
はあちゅう氏がブログをはじめたのが18歳の時。当時ブログをしているのは有名タレントくらいで、素人のブロガーなんてほとんど存在しなかった頃。
身近に感じてもらおうと、自分の顔写真をのせて記事をアップしたところ、「ブスのクセに顔なんて載せて」と、容姿に対する中傷があふれ、
「はあちゅう」と検索すると「ブス」というワードが出てくるし、「ブス」と検索すると「はあちゅう」がトップに出てくるまでになったらしい。(それはそれですごい影響力!だけど、はあちゅう氏は美人です、念のため。)
それらネットでの中傷にはしっかり傷つきながらも、ちゃんと打たれ強くなっていくはあちゅう氏。
ちなみにはあちゅう氏は、自分の名前をエゴサーチ(自分の名前を検索し、他人による自分の評価を確認する)をしているそう。
自分に対する悪口を目にすると、その人の過去のツイートを確認したりして、
《漂う小物感と人生がうまくいってない感》を確認し、
《こんな大した人生を送っていない、しょうもない人に批判されたくらいで負けないもんね。今にその口ふさいでやるわ》と留飲を下げていたり、
《「ブス」とこっちの顔を批判してくる人が、自分の顔写真をアイコンにしていたためしはない。自分だけ安全地帯にいて、好きなことを言って勝ち誇った気分に浸っていても、所詮は負け組。本当の自分で勝負できないような人の批判を恐れていて何も動かなければ、自分も同じ負け組階層組から飛び出すことはできないのです》とタンカ切ったり。
とにかく爽快。
そして、われわれにも、パシッと。
《みんな誰かが自分に何かしてくれると思いすぎです。誰かが何でも教えてくれるとか、面倒を見てくれるとか、人生を変えてくれるわけがないのです。…「ググれカス」というネット用語を考えた人は天才だと思います。世の中本当に「ググれカス」が多すぎる。自分の人生は自分で変えるべきだし、その方法も、ほかでもない自分で考えるべきです。》
18歳でブログで有名になって、叩かれても足を引っ張られても、夢を公言し自分を追い詰めながら努力を続けてきたはあちゅう氏。
人の悪口をばらまき同情心をあおりながら狡猾に生きている女子よりも、
心の中は、涙と鼻水でぐしゃぐしゃでも、踏ん張って笑顔を見せ、正義は正義とタンカを切る女子は、100倍愛おしい。
ちなみに冒頭の、わたしがイラついてしまった「半径5メートルの世界」というのは、
自分と、友人の間のみで共有する価値観が、あたかも世の中みんなの価値観であるように話をされたことであって、「半径5メートルの中だけで完結するな!」と言いたくなった。
ところがはあちゅう氏は、現代の若者は、生きる世界が半径5メートルであっても、SNSを通じて隣の人の半径5メートルにつながることができ、さらに別の半径にも融合することで、自分の世界を無限に広げることができる、としている。
たしかに実世界では、わたしたち世代のほうが、半径30メートルくらいあるかもしれない。でも、私のようにSNSもしなければ、ずーっと30メートルのまま。
はあちゅう氏、お見事です。
↑すもう部にあけくれる女児、12皿目の野望は…