八幡浜工業 ~バーニング古谷コラム~

『日本のサッカーの概念を0にして頑張ってください』とのメッセージを兵頭監督は、元日本代表・現ヴィッセル神戸酒井高徳選手から受けたという。

今年も、ドイツスタイルを標榜する八幡浜工業サッカーに曇りはない。

「うちは、他の高校と同じことしても勝てないんで」
と語る指揮官の表情にも自信がうかがえた。

去年、決勝に進出した八幡浜工業。
愛媛のサッカーファンに、古豪復活を印象づけた。

しかし、その躍進の中で苦しんだ選手もいた。
決勝で敗れた後のロッカールームで、
キャプテンマークを受け継いだ松井俊介主将だ。
「期待していると声をかけられて正直ずっとプレッシャーを感じていました。夏の遠征もしんどかった。けど、いろんな人に話を聞いてもらって意識や取組が変わった。食事や、ランニングに妥協しない。グラウンドを最後に出るようにしています」

去年、大会中にケガを負い、決勝のピッチに立てなかった選手もいた。
2年生菊池寛人選手だ。
「選手権は感謝を形にできる舞台。親には普段からかなり苦労を掛けている。去年はできなった分、今年は決勝の舞台で、感謝を表現したい」

選手たちをネット越しから見守る女子生徒が二人。
去年、選手権期間中に故障していた照明も今はグラウンドを照らしている。

八幡浜工業を取り巻く環境は大きく変わった。
今度は70回大会以来の全国へ、期待は高まっている。

-青春アディショナルタイム