ロッベンコラム ~松山工業編~
“名勝負あるところにグッドルーザーあり”
この名言を思いついた人は間違いなく勝者or第三者だろう。
いくらいい試合をしても負けた者にとっては何の慰めにもならない。
「あの時(昨年決勝2-4松北)の録画はまだ観てません」
「自分の怪我の責任で負けてしまったと、この1年間ずっと思ってきたんで…」
特に当事者だった志摩主将にとってその想いは顕著だ。
2年生ながら守備の大黒柱として期待されていたが、右ふくらはぎの肉離れで途中退場。
試合終了の笛をベンチで聞くしかなかった。
「去年はみんなが(志摩に)頼り切っていた」(坂本監督談)反省を生かし
センターバックのバックアッパーをプリンスリーグで鍛えてきた。
U16代表経験のある2年GK伊藤はプロチームでの練習参加でグレードアップ。
監督が「彼のスイッチが入るか入らないかで全然違う」という3年の石井
と「一番の成長を感じる」2年の向井など全国レベルの素材はもともと揃っている。
さらに「仕掛けられるようになった」と普段は辛口な大西コーチが誉めるのは
中盤の芳之内と今蔵。
この日は丁度、夏の骨折から完全復活したばかりの今吉も合流。
ベストメンバーがなかなかそろわなかった今シーズンだったが
“グッドルーザー”から“ベストウィナー”になる準備はどうやら整ったようだ。