ロッベンコラム ~今治西編~
兵頭龍哉監督が赴任して6年。選手権県大会を逃したことはない。
小さな記録かもしれないが今治西という進学校では快挙と言える。
総体が終わると3年生は受験の為一人もいなくなる。
毎年全員1、2年生だけの新チームで選手権に臨む。
この日も練習早々に「今から塾なんで」と主力を含めた3人が
蛍雪グラウンドを後にした。
選手は遠征のバス移動間中に英単語を覚え、堅い台紙を用意してその上で勉強する。
ここに来ると時間とは工夫次第で作れるものだと半分以下の年齢の少年たちに教えられる
半分蛍の光も、雪の光もその人の使い方次第というわけだ。
選手だけではない。今年は監督だってチョー忙しい。
最近は専ら国体会場と練習グラウンドの往復の毎日だ。
これじゃあ選手権未勝利は仕方ないかなと納得していたのは私だけだった。
「ここにおるうちに(選手権で)絶対1勝はしたいんよね!」
かつて松山北や愛媛FCを率い全国で戦っていた時と同じ口調。
初戦の相手は古豪・南宇和。歴史的な1勝の為に手抜きはしない。
短時間集中型の練習終盤、
相手のロングスロー対策を細かく指示する兵頭監督の指導が始まった。