今治西  ~ロッベン江刺コラム~

 

正式名称は「蛍雪グランド」(〝グラウンド〟ではない)。

 過去取材した中でもっとも好きな練習場でもっとも辿り着きにくい練習場だ。

 今回も一度ではたどり着けずに迷ってしまった(そして帰りも)。

 トトロの森を潜り抜ければ聞こえてくる兵頭龍哉監督の熱血指導。

 

 「いいポジションはどこか!?自分で考えろよ!」

 松山北時代、いや遡れば愛媛FCが四国リーグ時代など

 指導者として大きな大会へチームを導いてきた。

 そのころから培ってきたチーム作りのスタイルは変わらない。

 「うちは繋ぎに入ったら凄いよ~」

 パスを繋ぐこだわりと常に強気な発言、それも昔からブレない。

 ただ彼がここに来て6年間、叶っていない事が一つある。選手権での1勝だ。

 「今年は初戦の相手(松山東)も1、2年生主体のチームなので可能性がある。

 僕たちで監督にそれをプレゼントしたいです!」

 2年生キャプテン・砂川悠馬君が自転車置き場に向かう。

 「これから塾です!」

 短い時間の中で効率のいい練習を終え、心地よい疲労感を感じながらサドルをまたぐ。

 無駄な行動を取るような者はここには一人もいない。

 

-青春アディショナルタイム