20224/30
毎月第2週は、児童生徒学生の方からその世代の皆さんへのおすすめ本をご紹介しています。
4/10の放送のゲストは、この春、松山東雲女子大学を卒業した 大野美優さん。
大学では保育の勉強をして、つい先日幼稚園の先生として新社会人生活をスタートされました。
最近は忙しくてなかなか読書の時間が時間が取れないけれど、もともと本は大好き!という大野さんです。
ご紹介いただいた本は、『52ヘルツのクジラたち』中央公論新社 町田そのこ/著。
こちらは、2021年の本屋大賞に輝いて話題になった作品です。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性と母に虐待されている少年との出会いと、そんな二人が関わっていくなかで、様々な社会問題の当事者たちが登場します。
大野さんは、まずタイトルを見て、52ヘルツのクジラってどういうクジラ?と気になったそうなのですが、世界に1匹だけその声は誰にも届かないという52ヘルツで鳴くクジラがいて、SOSを出せない人をそんなクジラに例えているとわかって、こういう物語だと想像もしてなくて驚いたそうです。
声を発し続けていれば気づいてくれる人がいるというメッセージにもなっていて、もしかして身近に苦しんでいる人がいるかもしれない、家族や友達が落ち込んでいたり弱っているかもしれない、声を聴く大切さを忘れてはいけない、と実感したとのこと。
深海を思わせる濃紺のカバーも印象的な1冊。ぜひ手に取ってみてください。