2021年がスタート、今年も皆さんの本棚に加えていただきたいおすすめの本をご紹介していきます。
まだまだ続くコロナ禍、読書で気分を変えて、元気に過ごしていきたいですね。
さて、毎月第1週目は学校図書館関係者からのおすすめをお送りしています。
1月3日放送のご出演は、
伊予小学校の図書館ボランティアであり、「いよ本プロジェクト」代表の 岡田 有利子 さん でした。
岡田さんは、これまで司書の仕事をしながら、本には人と人をつなぐ力があると実感し、「いよ本プロジェクト」を立ち上げました。同じ思いを持つ方とも協力し、おすすめ本の紹介や読書会などの定例会、古本交換会や私設図書館の運営などの活動を行なっています。
まさに「本」に魅せられて様々な活動をしている岡田さんのおすすめは、
「わたしはあかねこ」文溪堂 サトシン 著 / 西村敏雄 絵 。
くろねこ父さんとしろねこ母さんから生まれたあかねこちゃん。兄弟はみんなくろとしろの色合いなのに、なぜか1匹だけあか色にうまれたあかねこちゃん。
個性をどうとらえるか、ということがテーマの絵本です。
この絵本は、物語を読んであと背表紙もしっかり見て欲しいとのこと。背表紙には7色7匹の子猫をともなって実家(?)に向かっているあかねこちゃん家族のイラスト。
家を飛び出してしまったけれど、いつしか幸せを見つけたあかねこちゃんのお話のエンディングの後、背表紙のイラストを見るとお父さんとお母さんに会いに行っていることがわかります。
わかってもらえない、と思っていたことも、きっとあかねこちゃんの心の中で解決していたのでしょう。
今の社会で、私たちも、すれ違いだったり、誤解だったり、人との関わりに悩まされることはたくさんあります。そんな時に忘れたくないのは、他者への尊重や思いやり。
なんだかそんなことを思い出させてくれるような1冊です。
コロナ禍で、社会が不安に包まれた2020年。去年、岡田さんが読み聞かせした絵本のなかで、一番登場回数が多かったのがこの絵本だそうです。
ぜひ、皆さんも手にとってみてください。