5/22のゲストは、デジタルハリウッドSTUDIO松山 マネージャー 味村和哉さんでした。
愛媛初のクリエイターと地域をつなぐコミュニティとして今月開講した、デジタルハリウッドSTUDIO松山。
IT・デジタルコンテンツのクリエイターを育成する場所として、働き方が変化している今だからこそ、愛媛でも地域や地元企業とも連携できる環境が整って、開講となったそうです。
4月のプレオープンから受講生も集まり、STUDIO松山発のコミュニティもできてきたそうです。今後の拡がりも楽しみです。
味村さんおすすめの1冊は、『ライフピボット』インプレス 黒田悠介/著。
「ライフピボット」、それだけではピンとこない方も多いと思いますが、バスケットボールで軸足は動かさずに片足だけ移動させる動きの「ピボット」は聞いたことがあるのでは。様々な生き方がある今の世の中で、今までの経験を軸足として持ちながら、少しずつスライドして働き方の転換をしていくと豊かに過ごせる、という新しいキャリア論が「ライフピボット」です。
著者の黒田悠介さんは、東京大学を卒業後、会社員、経営者などさまざまな働き方を経験したのち、現在はフリーランス研究家、また事業立ち上げを支援するディスカッション・パートナーとして活躍しています。
多彩なメンバーがディスカッションで繋がる会員制サロンを主宰していて、実は味村さんもそういったコミュニティで黒田さんと繋がりができ、デジタルハリウッドの講演などもお願いしたこともあるそうです。経歴だけ聞くと、「切れ者」のイメージが先行しますが、とても「温かい人」なのだとか。
そんな黒田さんが提唱する「ライフピボット」というキャリア論は、今の時代を柔軟に生きて豊かに過ごすには、どう考え、どう生きればいいかという指針が示されています。
人生100年時代、ライフスタイルが変わってきている現代で、働き方や仕事に迷いがある方には、特におすすめです。

毎月第3週は、松山おはなしの会のメンバーの方にご出演いただき、どなたにでも読みやすい、ショートショート作品を朗読していただいております。
5/15放送にご出演いただいたのは、松山おはなしの会 宮崎貴子さんでした。
ご紹介いただいた作品は、第18回坊ちゃん文学賞 佳作『再配達』(作・知花沙季)です。
ファンタジーあふれる「再配達」される届け物にまつわるショートショート。
この物語のような「再配達」が叶うなら、誰しも届けてほしいものはたくさん浮かぶと思います。
コロナ禍を経験したからこそ生まれた作品で、朗読してくれた宮崎さんも、今だから心に響くし、これを読んで「今」を大切にしようと気づかせてもらった、としみじみとお話しされていました。
わくわくと温かい気持ちで読みすすめるうちに、切なくなる結末を迎えて、たしかに色々と考えさせられました。
全編をぜひ宮崎さんの朗読でお楽しみください。
(※音源は近日中にアップします。)

毎月第2週は、児童生徒学生の方からその世代の皆さんへのおすすめ本をご紹介しています。
5/8放送のゲストは、愛媛大学 社会共創学部 4回生 門田大和さんでした。
大学での勉強のほか、学生活動なども積極的に行っている門田さん。必要な単位などは早めに履修して、4回生になったら好きなことをやってみたい!と、有限実行、あとは卒論を残すのみという状態で、現在はデジタルクリエイティブの勉強をしようと専門スクールでウェブデザインの勉強をしています。
何事にもチャレンジ精神旺盛な門田さんが選んだ一冊は、『エフォートレス思考』かんき出版 グレッグ・マキューン/著。
著者の前作『エッセンシャル思考』という本を読んで、「物事に優先順位を付けて断る、無理をしない」という内容に感銘を受けたので、次作も読みたくなったとのことなのですが、これがまためちゃくちゃよかった!とのこと。
本の帯に書かれているのは、「無駄な努力を0%にして 成果を100%にする方法!」という文章。
エッセンシャル思考では「何を」やるか教えてくれたのに対して、エフォートレス思考は「どのように」やるかが語られています。
「どうしてこんなに大変なんだ」と問うのではなく、「どうすればもっと簡単になるのか」と考えるのがエフォート(努力)レス。門田さんも価値観が少し変わって、がむしゃらにというより、ゆっくり遠くまで進んでいこう、と考えるようになったそうです。
忙しすぎると思っている人や、頑張りすぎてくじけてしまった人にも手にとってもらいたい1冊です。

毎月第1週は学校図書館関係者からのおすすめの1冊をご紹介いただいています。
5/1の放送でお話を伺ったのは、城西中学校 図書館支援員 上田 美佳さん でした。
城西中学校の図書館は、広いスペースに窓を大きくとっていて、自習室としても使われる明るい場所となっていて、4月に入学した新入生も、少しずつ使用者がふえているそうです。
たくさんの生徒さんがお気に入りの本と出会ってくれるといいですね!
今回ご紹介いただいた本は、「ちょっとフレンチなおうち仕事」タサン志麻/著 ワニブックス。
「伝説の家政婦」と呼ばれ、テレビ番組でも取り上げられることも多いタサン志麻さんのライフスタイル本。
タイトルからすると、おしゃれでスタイリッシュな生活が取り上げられているのかしら・・と思いきや、築60年の古民家を改装して住んでいる「狭いからこそ始末がよい台所」の仕組みや、調理器具がシンプルが一番!菜箸があればオッケー、といった私達に身近な生活感あふれるエピソード満載です。
生活に密着した情報が満載ながら、好きなことをして好きなものに囲まれて暮らす志麻さんが魅力的だからか、中学生にも人気の1冊なんだそうです。
ご自身も子育て中の上田さんは、フランス流の考え方や、フランスの家庭料理の作り方をちょっと取り入れると日々のごはん作りがラクになったり、子育ての悩みが軽減したと志麻さんが綴られているのを読んで、なんだかほっととのこと。
何かを極める楽しさを知ってもらいたい若い世代の皆さん、日々の生活に追われているお父さんお母さん、幅広い層の皆さんに手にとってもらいたい1冊です。

4/24放送のゲストは、俳句甲子園 実行委員会 会長 日野 裕士さんでした。
今年で第25回目となる俳句甲子園。去年、一昨年とコロナ禍で形式を変えての開催となっていましたが、今年は地方大会・全国大会とフルスペックでの開催となる予定です。
決勝は松山の夏の風物詩ともいえます。楽しみですね。
さて、今や大会の運営側を担う日野さんですが、もともと俳句を始めたのは、俳句甲子園がきっかけだったそうです。
第4回の俳句甲子園で、松山東高校vs開成高校の決勝での対戦で、今や若手俳人として有名な神野紗希さんが主将として発表していた句にしびれたんだとか。(その年の個人最優秀賞を受賞した句でした。)
それから、毎日職場で聴いているラジオ「夏井いつきの一句一遊」に投句してみようと思いつき、どんどん俳句にはなっていったとのこと。
そんな日野さんのおすすめ本は、俳句に関わる一冊です。『絶滅寸前季語辞典』筑摩書房 夏井いつき/著。
季語は、時代に合わなくなっているものは歳時記から削除され、逆に新しく加えられるものもあるのですが、夏井いつき先生は、新しいものも古いものもごちゃごちゃしているおもちゃ箱のようなものが歳時記なのだとおっしゃっています。
この本では、今ではめったに体験できないようなこと・知らなかったものが掲載されていて、それを夏井先生が面白おかしく解説されています。
例えば、日野さんが印象的だった季語のなかからひとつ取り上げると、春の季語「絵踏み」。
何?なぜ?と疑問ばかりが浮かびますが、江戸時代にキリシタンでない証しに踏み絵を踏ませたそれは旧暦の正月4日から8日に行われる九州各地の春の行事だったから。
最終日の丸山遊郭の絵踏には多くの見物人が詰めかけて、人々はこの日のための豪華な絵踏衣装をまとった遊女らが素足で絵踏をするさまをながめたという行事だそうで、全くイメージがなかったものですが、その季語ひとつから、なんだかその華やかな風景が想像できます。
他にも、懐かしくて自分の思い出を紐解くような季語や、体験したことはないけどギリギリ知ってる!という季語など、面白いものをあげるとキリがありません。
そもそも俳句自体も5・7・5の短い文章から、様々な風景が広がっていくもの。
俳句を嗜んでないという方でも、じっくりと楽しめますよ。
