12/26放送では、1冊の本を朗読でご紹介しました。
いつもは第3週にショートショート作品をご紹介しておりますが、今回ご紹介するのはエッセイです。
前回に引き続きご出演いただいたのは、松山おはなしの会 大原 純さん 。
「朗読seed・おはなしのたね」の主宰をされている大原さん、今回のエッセイも素敵な朗読で作品を紹介してくださいました。
ご紹介した作品は、辰巳出版『これから猫を飼う人に伝えたい11のこと』(作・仁尾智)。
猫歌人といわれる仁尾智さんが猫との暮らしの心がまえをエッセイと短歌で伝えている作品です。
人気イラストレーター・小泉さよさんの水彩画も素敵で、エッセイと短歌とイラストと、さらりと読めるけれど、内容は猫を飼ううえでとても大切な事柄が綴られています。
猫好きの人、これから猫を飼いたいと考えている人、必見です。
放送ではまず1つめのエピソードをご紹介しましたが、仁尾さんが伝えたい「11のこと」、全て朗読いただいております。。
全編を大原さんの朗読でお楽しみください。

毎月第3週は、松山おはなしの会のメンバーの方にご出演いただき、どなたにでも読みやすい、ショートショート作品を朗読していただいております。
12/19放送にご出演いただいたのは、松山おはなしの会 大原 純さん でした。
今回は「ショートショート美術館 名作絵画の光と闇」(文藝春秋 )から、松山市出身のショートショート作家 田丸雅智さんの「スフィ女」という作品を紹介していただきました。
「ショートショート美術館 名作絵画の光と闇」は、太田忠司さん、田丸雅智さんという2人のショートショート作家が、同じ題材である名画をテーマにして2人が異なる作品を描いた物語を集めたものとなっています。
この作品の題材となっているのは、フランティシエク・クプカが描いた、「静寂の道」。満天の星の下、整然と並ぶスフィンクス像が描かれた神秘的な絵画です。
趣味で油絵をたしなむという大原さん、クプカのことは知っていたけれど、この名画をもとに、まさかこんな物語が展開していくとは、という意外性にびっくりしたそうです。
たしかに。「スフィ女」の舞台は現代。しかも、現実にはありえないけど、もしかしていつかありうるかもしれない設定の合コンの場面。
いったいどんな物語なのか。大原さんの朗読で全編をお楽しみください。
読む前に、読んだ後に、クプカの「静寂の道」がどんな名画なのかのチェックもお忘れなく。
太田忠司さんのもうひとつの物語と、その他の名画にまつわる物語は、ぜひ本を手にとって確かめてみてください。
12/12放送では、学校図書館関係者からのおすすめをお送りしました。
ご出演は、学校図書館アドバイ ザーで、学校図書館を支援するグループ「Laひと」の 日野弘子さん。
今回ご紹介いただいたのは、『おおにしせんせい』講談社 長谷川義史/著 です。
この物語は、著者の長谷川義史さんの、絵本作家としての原点ともなった体験が描かれた絵本です。
5年生の新しい担任、おおにしせんせいの初日の授業は、なんと一日図画工作。
豪快だけど優しい「おおにしせんせい」の授業で、「ぼく」の心が動いて自分なりの素敵な作品を作り出す、という物語。
「おおにしせんせい」との出会いが「ぼく」を変えていく。
子どもに読んでほしいのはもちろんですが、子どもとの関わり方を考える大人にも読んでもらいたい1冊です。
長谷川さんの絵本は、「いいからいいから」や「ぼくがラーメンたべてるとき」など有名なものも多いですが、独特の画風で、どれも面白くユニークなんだけど、何かしら受け取るべきメッセージがある本が多いので、ぜひ色々な物語を楽しんでみてほしいとのこと。
ぜひ自分の好きな物語を探してみてください。
12/5の放送では、高校生からその世代の皆さんへのおすすめ本をご紹介しました。
ゲストは松山工業高校 土木科 2年生 鈴木ちはるさん。
学校では防災リーダーとしての活動も熱心に行っています。これからは、SDGsの視点をつなげて「持続可能な防災」はどういうものか、ということを学んでいます。
小学校や中学校での防災教室のお手伝いをしたり、地域の皆さんとの活動など、忙しくも充実した日々を過ごしているとのこと。
そんな鈴木さんのおすすめ本は、『桜のような僕の恋人』集英社 宇山佳佑/著。
カメラマン見習いの晴人と美容師の美咲との出会いから、人の何十倍もの早さで老いていく難病を発症してしまった美咲との愛が綴られたラブストーリー。
鈴木さんはこの本を読んで、日常の時間の過ごし方を意識するようになり、今の高校生活も1日1日大事に過ごしていきたいと切に感じたそうです。
恋愛だけでなく、家族愛も描かれていて、ただの恋愛小説ではない部分も好きなんだとか。
生きていること、大切な人と同じ時間を過ごせる幸せを再確認できる内容なので、今なにか閉塞感をもって日々を過ごしてしまっている方におすすめです。
ぜひ手に取ってみてください。

11/28にご出演いただいたゲストは、おはなし屋えっちゃん 武知悦子さんでした。
武知さんは、「おはなし屋えっちゃん」として松山市味酒町で「おはなしカフェ」を主宰するほか、様々な場所に出向いておはなし会や子どもたちが遊べる時間を提供しています。
ちなみに「おはなしカフェ」には1000冊以上の絵本や木の玩具などが置かれて、子どもたちの元気な声が溢れています。
あまり絵本が好きじゃない!じっとしているのがイヤ!という子も本に親しめるように、「読みきかせ」というより「読み遊び」をして楽しんでいるそうです。
そんな武知さんのおすすめは、「おばけだじょ」学研 ツペラ ツペラ(著)。
「おはなしカフェ」で、その年に一番人気だった本を選ぶ、「おはなしカフェ絵本大賞」に最初に選ばれた1冊で、実はその後も不動の人気を誇っているので殿堂入りさせた、という作品だそうです。
あかちゃんから小学生まで、本当に幅広く子どもたちに人気で、出番がない日がないほどだとか。
真っ黒なおばけちゃんの表紙をみて、どんなおばけ絵本なのかしら、と思って読みすすめると、最初はかわいいシルエットのおばけ、あれあれ?足がはえてきてる、ぐああーーのおたけび後の姿を見ると・・「おばけじゃないじょ○○○だじょ」。
大人もなるほどーーー!と唸る展開で、これは子どもたちに大人気なのも納得です。
ツペラツペラさんのユニークなストーリーと、絵の色味もとっても美しい作品。
おばけがぼんやり光っているような不思議な演出の背景、実は影絵を撮影したものなんだそうです。
読んで聞かせてあげても、絵を追いかけるだけでも、自分で声を出して読んでも楽しい絵本!
ぜひ手にとってみてください。
