毎月第3週は、松山おはなしの会のメンバーの方にご出演いただき、
どなたにでも読みやすい、ショートショート作品を朗読していただいております。
4/18のご出演は、松山おはなしの会 会長 光藤 由美子さん でした。
光藤さんは、松山おはなしの会の活動のほかに、「おはなし」=ストーリーテラーについて紹介したい思いから、自著も出されています。
光藤さん著「おはなしの帽子〜イギリスおはなしの旅〜」では、14歳の主人公の少女が祖父母の家で見つけた古い本との出会いから、イギリスおはなしの旅に出かけ、成長していく姿が描かれています。
イギリスの「語り手」たちの姿や、イギリスのおはなしを辿りながら旅をしている情景を読み進めるのは、コロナ禍で旅に出られない今、多文化と触れ合えて旅気分を味わえる1冊でもあります。
ぜひ手にとってみてください。
そして、今回ご紹介いただいたショートショートは、
第17回坊ちゃん文学賞 佳作を受賞した『海辺のカプセル』(作・霜月透子)。
霜月透子さんは、去年の坊っちゃん文学賞でも「レトルト彼」という作品で受賞歴のある方です。
今年は一層ファンタジックで、海辺の不思議な情景が浮かんでくるような素敵な作品です。
海辺にある不思議な駄菓子屋で、望むものが出る・・かもしれないというカプセルトイ。
カプセルトイに収められたものとは。
光藤さんの朗読でじっくりお楽しみください。

毎月第2週は、児童生徒学生の方からその世代の皆さんからのおすすめ本をご紹介しています。
4/11放送のゲストは、愛媛コレクション2020グランプリ 松本沙月さん でした。
中四国最大のミスコン、愛媛コレクション。
2020年はコロナ禍で、実施期間を短縮し、活動もSNS配信がメイン、グランプリ決定当日もネット配信での発表となりましたが、こんな時期だから学べたことがたくさんありました、と語る松本さん。
4回生で挑戦して、この春からは社会人デビュー。これからの社会人生活にも、きっとこの貴重な経験が生かされますね!
そんな松本さんのおすすめの1冊は、『流浪の月』東京創元社 凪良ゆう/著。
去年の本屋大賞を受賞し、話題になった作品です。
主人公の更紗と、小学生の更紗が出会った大学生の文(ふみ)。センセーショナルな出来事として捉えられる2人の関係とその後が描かれています。
松本さんは、更紗の両親の自由な生活の描写が素敵で、憧れのシーンとして頭に浮かぶ一方で、その後、生活が変わって窮屈な思いをするところがとっても現実的で、そういう細かい部分も印象に残っているそうです。
また、2人の関係性について、世間の常識と本人たちの思いを読み進めていくうちに、何事も相手の立場に立っていろんな視点で考えることが大切なんだな、と思ったんだとか。
それまであまり本を読む方ではなかったそうなんですが、この本は面白くて一気に読めたので、それがきっかけでほかにも小説を読むようになったとのこと。
著者の凪良ゆうさんは、これまでBL作家としてのキャリアはありつつも、一般文芸の分野で去年本屋大賞を受賞したことで一気に注目を集めた作家さんです。
さすが、書店員さんの「この本を売りたい!」という熱い思いで選ばれる本屋大賞受賞作。
本屋大賞は、大賞だけでなくノミネート作品すべてにおいて、意外性があったり、とにかく面白い物語があったりとどれもおすすめです。
普段、あまり本を読まない方も、ぜひ毎年の話題作をチェックしてみてください。

毎月第1週目は学校図書館関係者からのおすすめをお送りしています。
4月4日放送のご出演は、
伊予小学校の図書館ボランティアであり、「いよ本プロジェクト」代表の 岡田 有利子 さん でした。
今回おすすめいただいた本は、『教室に並んだ背表紙』集英社 相沢沙呼/著。
主人公は多感な年頃でなにか生きづらさを感じている少女たち。中学校の図書館を舞台に、本との出会いで変わっていく6人の女子中学生の姿を描いた連作短編集となっています。
岡田さんは、登場する少女たちの悩みや迷いを読んでいるとなんだかこちらが辛くなるほどだったけれど、物語に出てくる図書館司書さんが、
「私たちは物語を通して、そこに生きる人と出会うことができる。そしてその言葉と優しさは本物だよ。だから寂しくて、迷ってしまったときは“物語”を読んで―。」
とアドバイスしたその言葉が深く心に刻まれたそうで、自分もそうやって子どもたちにたくさんの本をすすめよう、と思ったんだとか。
物語に生きる人との出会い、その物語を描いた人との出会い、そこから興味をもった世界との出会い、本を読むことで広がる出会いがたくさんあります。
大人も子供も、本を通じて多くの出会いを味わいたいものです。
