2018年3月のゲストとおすすめ本のご紹介です。
3/4放送
12月開催の県民総合文化祭30周年記念事業プレイベントで行われた
高校生ビブリオバトル&トークショーの出場者
東雲高校の藤田華乃さん
『ねんてん先生の文学のある日々』(新日本出版社)坪内稔典/著
一言で言うと本が好きになる本。
この本は夏目漱石や松尾芭蕉など、多くの作家の作品が3,4ページでまとまって描かれていて、その中の、ねんてん先生の俳句も大注目。今まで文学といえば堅苦しいイメージが先行していましたが、こんなに入りやすいんだと感動した1冊、とのこと。高校3年生の藤田さん、可愛らしくてさわやか。進学先も決まり、キラキラした表情で春からの生活についてお話しくださった時の笑顔が忘れられません。
3/11放送
愛媛県出身の写真家 松本紀生さん
『遠いリング』(岩波現代文庫)後藤正治/著
学生時代にアラスカの写真に魅せられ、写真家を志し、日本からアラスカ大学に編入。渡米後、プロのカメラマンとして活動を始めて、現在は1年の半年をアラスカで過ごしていらっしゃいます。
その活動が、英語の教科書に取り上げられたり、他局ですが・・あの「情熱◯陸」で密着取材をうけたり、という注目の写真家です。貴重な里帰りの機会にインタビューさせていただきました!
今回のおすすめ本は、アラスカにも携帯していく本だとか。8人のボクサーの内面に迫ったノンフィクションで、著者の後藤正治さんが淡々とその人物の内面に迫っています。だからこそ真実がこちらに語りかけてくる描写がたくさんあり、自分を元気付けてくれる作品になっているので、厳しい環境のなか孤独なアラスカでのキャンプ中に、何度も読み返すのだとか。
何かに頑張っている方、頑張りたい方にぜひ手に取っていただきたい1冊です。
3/17放送
ブックマスター松山東雲女子大学心理子ども学科の西村浩子さん
『読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話』(ちくま文庫)松谷みよ子/著
いろんなの季節の「民話」が収録されており、ぜひ子どもたちに読んであげたい1冊。人間には温かい面もあれば、冷たい面もあり、怖い面もある。良いことだけではない、そんな予定調和ではない話を伝える「民話」の魅力を、改めて知ってほしいとのことでした。
3/24放送
明屋書店松山本店の藤平美保さん
『図解 体がよみがえる「長寿食」』(三笠書房)藤田紘一郎/著
この本は写真やイラストがとても多く、年齢関係なく読みやすい内容です。
体のための食事については、年齢は関係なく知っておきたいもの。意外な食品が意外な働きをしてくれることが知れたりするのも楽しいですよ、とのことでした。

※3/11ご出演 写真家の松本紀生さん
写真集「DEEP ALASKA」も絶賛発売中です。
2018年2月のゲストとおすすめ本のご紹介です。
2/4放送
12月開催の県民総合文化祭30周年記念事業プレイベントで行われた
高校生ビブリオバトル&トークショーの出場者、
松山南高校 杉野悠生さん
『ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石』(講談社)伊集院静/著
正岡子規のことを調べる課題があった時に読んだ本で、他の文献以上に子規のことを知れた気がしたそう。現代とは違う時間軸で描かれていても共感する部分もすごく多く、青年時代の正岡子規も自分たちと同じような気持ちで過ごしていたんだと新鮮な発見があった1冊です、とのこと。
高校1年生とは思えないしっかりとした話しぶり。それも、読書のおかげで誰かと話すときも想像力が働いているのかも、という受け答えもさすが、な杉野さんでした。
2/11放送
12月開催の県民総合文化祭30周年記念事業プレイベントで行われた
高校生ビブリオバトル&トークショーの出場者
三瓶高校 三好優里さん
『葬儀の日』(河出書房新社)松浦理英子/著
葬儀の日に、泣き屋と笑い屋という職業の二人の、不吉な愛が描かれています。この特別な設定と展開が面白い1冊。読み返すと、毎回考えることが変わって、何度読んでも面白い内容です。そう一生懸命語ってくれた三好さん、声もとってもさわやかで可愛らしい女子高生でした。
2/18放送
ブックマスター松山東雲女子大学心理子ども学科の西村浩子さん
『あなたのために いのちを支えるスープ』(文化出版局)辰巳芳子/著
この本はいわゆる「レシピ本」ではなく、料理の作り方や紹介内容が深くて後から色々思い返しながら読める1冊。辰巳さんの講演会にも参加したことがあるという西村先生、食材や作ってくれる人への感謝の気持ち、食べる人への優しさを大切にされている方と実感して、ますますファンになったそうです。食に関する思いがたくさん詰まった料理本です。
2/25放送
明屋書店空港通店の染次佑美さん
『かがみの孤城』(ポプラ社)辻村深月/著
表紙はファンタジーっぽいですが、内容は深くどの世代の方もぐっとくる作品。
いじめや不登校といった社会問題が深く掘り下げられていて、いろんな角度から自分を重ねて、10代の頃に悩んだことを思い出したり、大人になってからの悩みに対しても勇気付けてくれる、そんな内容となっています。

※1月からのブックマスター 西村浩子先生
2018年1月のゲストとおすすめ本のご紹介です。
1/7放送
坊ちゃん劇場ミュージカル52days 正岡子規役俳優の岩渕敏司さん
『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川学芸出版)角川学芸出版/編
このミュージカルのために愛媛に来て、それから俳句をはじめてみたという岩渕さん。たくさんの歳時記の中でも、ポケットサイズで初心者向けということもあって購入。日本語の美しさや面白さを改めて知ることにもなり、子規役が終わっても、この歳時記を身近において俳句に親しんでいきたい、と語ってくれました。
1/14放送
茶房「ひょん」店主の大屋千鶴子さん
『庭の旅』(TOTO出版)白井隆/著
地元のサロンとなっていて様々な方が訪れる茶房「ひょん」の大屋さんは、ご自身も建築や文化、たくさんのことに通じてらっしゃいます。ご紹介いただいたのは庭づくりについての1冊。伊丹十三記念館の庭を創られた中谷耿一郎さんのご自宅が紹介されていたり、公園や石垣の里山などを庭と見なして紹介されていたり、美しい写真を見るだけでも魅力的な本です。
1/21放送
ブックマスター松山東雲女子大学心理子ども学科の西村浩子さん
『ロボットとは何か 人の心を映す鏡』(講談社現代新書)石黒浩/著
新しいブックマスターとしてご登場いただいた西村先生が、最初にご紹介いただいた作品。この本が発売された2009年当初より、愛媛でも「夏目漱石アンドロイド」が話題になったり、AIが一層身近になっている今こそ読んでほしい1冊。人間に限りなく近いロボットを作るために考えられてきた「人間とは何か」というテーマを、今一度見つめさせてくれる1冊。
1/28放送
SerenDip明屋書店アエル店店長の南則康さん
『加藤嘉明 「賤ケ岳七本鑓」知られざる勇将』(PHP研究所)近衛龍春/著
アエル店の店長となったことをきっかけに松山城ウォーキングを始めたという南店長。お城好きが高じて、この本を手に取ったそう。本能寺の変から始まって、時代が移り変わる様子を加藤嘉明が主人公となって描かれています。ぜひ松山の人たちに読んでいただきたい一冊とのこと。

※1/7ご出演 俳優の岩渕敏司さん