あまった食料は、ケチケチせず山小屋において帰るのだ。
酔っぱらいのサラリーマンがいない土曜日の新橋から更新です。
マッキンリー、山小屋の中。
手前のジップロックに入ったもの、何だか分かりますか?
茶色い粉なんですが、
これは、ココア。
それにしても1年分でも飲みきれないくらいの量だと思いませんか。
実際、そうなんです。
キャンプが終わった時、ほとんど残ってしまいました。
「じゃあ、そんなに持っていかないでいいじゃないか。」
そう思いますよね。
僕も、そう思いました。
じゃあ、なんで・・・?
それは、キャンプする場所に理由があります。
キャンプする場所は、マッキンリー中腹。
キャンプの日数が2週間とします。
もし、2週間分の食料を用意したとします。
そして、キャンプ最終日。
さて、下山しようとしていると、雲行きが怪しくなってきます。
これでは、セスナが飛べません。
それじゃあ、セスナが次に飛べるのは、いつでしょう。
明日? あさって? それとも、3日後・・・。
マッキンリーの天候は、まったく分かりません。
場合によっては、2週間悪天候が続く事も十分あります。
そうなんです。
たくさんの余裕がないとだめなんです。
マイナス30度、40度の極限の場所で、食料がなくなることは、命に関わる事です。
なので、余裕をもっているのです。
・・・なんて、かっこいい事言ってますが、僕みたいな素人が分かる事ではなくて、
すべて、松本さんに教えてもらった事。
そして、もう一つの山の掟は、あまった食料は、ケチケチせずに、山小屋において帰ること。
次に山小屋を使う人が、それで助かるかもしれません。
山小屋の周りには、ホワイトガソリン(燃料)の入った缶が無数にありました。
見も知らない人の事を考える。
そんな考え、今の日本になくなってるような気がします。