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取材19日目 ピータースバーグからブラザーズ島へ

月曜日, 7月 19th, 2010

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7月19日

朝6時起き。

ピータースバーグ。ドンさん、スーザンさんの家
ぐっすりと?寝た2人と1匹(黒クマにそっくりな犬ハードリー)
松本さんは、寝袋。
僕は、ベッド。
いつも本当に申し訳なく思います。

松本さんは、寝袋からとび起きます。

ところで、話は脱線しますが、

松本さんは、アウトドア生活なのに無類の綺麗好き。
服も寝袋も事あるごとに洗濯します。
テントまで洗いそうな勢い。
3度の歯磨きも。

とにかく、すべてが緻密なのです。
撮影のプラン、所持品など、ここまでやるか。と言うくらい緻密。
しかし、確かに松本さんの撮影に密着していると、
一つのミスが重大事につながりかねないことが実感できます。

松本さんは、17年間の経験の積み重ねで何が必要で、どんな行動が大切かを会得ことが分かります。
自らのやりたい事を実現する松本さんのエネルギーは、強く、洗練されています。

さらに松本さんは、
自然に手を加えない。事も徹底しています。

自然に対して、おごらない。謙虚で、尊敬の気持ちを持ち続けていることがよく分かります。

例えば、キャンプした場所に人工物を残してはいけない。
たき火はしても大丈夫ですが、
炭などの人工物を残すのはダメ。

最初、これを聞いた時、「エー、炭なら自然に戻るし、人工物とはいえないのでは・・・」
と正直思いましたが、よくよく聞くと、

炭の状態になった木が流れて漂着したりすると自然を損ねるからだそうです。
燃やすならすべて燃やしつくしてしまわなければいけないんだそうです。

また、クジラに近づきすぎてはダメ。

トドの島に近づきすぎてはダメ。

様々なルールがあるのです。

手つかずの自然が豊富に残されているアラスカですが、自然を守る姿勢も徹底しています。

こんなルールや情報は、自らの経験と、松本さんを信頼する多くのアラスカの人たちから得ているのです。

ブラザーズアイランドに向けて出発です。
ドンさんの大きなトラックで。

・・・ちょっと、トラックの話ですが。
アラスカの人たちは、皆、と言っていいほど、トラックに乗っています。
これが本当に見上げるような(ちょっと大げさか)大きなトラックばかり。
運転席から前が見えるのかと言うくらい大きなトラックです。
スーパーに行くと、止めてある車の大きさに圧倒されます。
人も大型ですが、車も大型です。

ドンさんのトラックで荷物を運び、ドンさんの船で出発です。
松本さんは、ブラザーズ島のためのパッキングを以前にしていて、
必要なものはすべて揃っています。

数日前に行ったカシーツクリークとは反対方向に船は進みます。
この日は、快晴。
曇っていたこれまでの風景とは一転。本当に美しい風景が広がります。
そびえる雪の山々。
海辺ぎりぎりまで密生する森。
海に写りこむ木々の緑。

山々は、何人の人が足を踏み入れたことがあるのだろうか、と思わせるほど深く、険しい。

しかし、日本に住み、野生動物と共存していない自分にとって、
本当に考えられないのは、そんな森のそこかしこに熊が生息している事。
そして、そんな場所に人が住んでいる事です。

アラスカは、動物と人間は、まさに共存しているのです。

ところで、話は変わりますが、
ピータースバーグって、ピータースバーグ以外の場所にいく道がない。
のです。
日本では考えられないことです。

他の場所に行くには、飛行機かフェリーしか交通手段がないのです。

近くにあるジュノーなどの町にいくにも車ではいけないのです。

でも、ピータースバーグに住む人たちは車を持っています。
ピータースバーグの中だけを走るために車を持っているのです。
・・・それだけ広いのです。

船を進める事1時間。
船は快調に進みます。
すると、通りすがりに見える無人島に、1軒の家が。
おとぎ話に出てきそうな美しい家。
しかし、もちろん、電気なんてあるはずもないし、
道もあるわけがなくて、まったくもって、無人島。

しかし、庭には、大きなソーラーパネルを設置。さらに温室まで完備。
「す・すごい!こんなところに人が住んでる!」
確かに、本当に海辺の、美しすぎるくらいの場所ですが・・・。

よく、軽井沢に別荘があったりしますが、ここまでくるともう、ちょっと究極。
やっぱりアラスカはワイルドです。

船は進みます。
松本さんが、来る途中必ず立ち寄る船のためのガススタンドで「ルートビア」と言うジュースを買ってくれていました。
船の上でいただきます。

ラベルにはブルドッグの絵が。
ビアとは書かれていますが、ビールではないらしい。
こちらでは結構ポピュラーな飲み物らしいです。

グビッと一口!
パーーっと爽やか。
ムムムム、これはサロンパスの味だ!
(と言ってもサロンパスを食べた事があるわけではありませんが)
確かに、サロンパスの香りなのです。

ぎょっとしましたが、何口か飲んでいると、これが、「やめられない。止まらない」

不思議な飲み物でした。

さらに船は進みます。
出発から4時間。
松本さん、ドンさん。
クジラを確認しながら進めます。

双眼鏡で捜索。

松本さん、気分が悪い、と言いながら捜索です。

すると「おー、くじらだ!」と言う声が。

松本さんとドンさん、そちらの方向を興奮気味に見て何か言っています。

僕は、その方向を見ますが、何も見えません。
見えるのは、海。

しかし二人には、はっきりしっかりと見えるようです。
「潮を吹いてる」
「ブリーチ!」とか叫んでいます。

船は、さらに走ります。

すると、遥か彼方の遥か彼方に、小さな黒い点が・・・。

近づくにつれ、やっと、それがクジラだと、確認できるようになります。

たくさんのクジラです。

それぞれが、泳いだり、潮を吹いたり、もぐったり、そして、ジャンプしたりしています。

とにかく、このジャンプ。
ブリーチと言うらしいのですが、
ものすごい迫力です。

なぜ、ブリーチをするのか解明は出来ていないようなのですが、
深く潜って、いっきに地上に飛び出してくるもので、
小さな船なんかが遭遇してしまうと、ひとたまりもないそうです。

よくイルカショーなんかで、ジャンプしますが、
それほど高く飛ぶわけではなく、体の3分の2くらいが水面から出ている状態なのですが。
飛んだ後、どばーーーん!と海に落ちるのです。
とんでもない程の水しぶきです。

2頭のクジラ

また、ヒレで海面を叩くようなしぐさもします。
僕らに見えるのは、ヒレだけ。
ばちゃん!ばちゃん!と繰り返します。
この音も半端じゃない。

何だか、犬が寝っころがえって、尻尾を振ってるみたい。

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そして、潮を吹く時のブハーと言うか、シュパーと言うか、その音などは、
何キロ先だろうと言うくらい、もう、クジラがアリくらいに見えるような距離でも聞こえてきます。

本当に初めてたくさんのクジラをみましたが、迫力でした。

松本さんは、ドンさんの船につないでいたゴムボートで勢いよく飛び出していき写真を撮影します。

ゴムボート。   と言うと、普通、海水浴で浮かべるアレを想像しませんか・・・?

違うんです。
確かに空気で膨らませるボートなのですが、
エンジンを積んだ高性能なボートなのです。(ブログの数日前にも書きましたが)

ういーーーん!とうなりをあげると、なんと、松本さん、ゴムボートの上に立ったまま運転。
すごいスピードです。
モーターボート並みの早さです。
しかも、撮影も立ったまま。
すごい!

僕も、その様子を撮影しますが、いかんせん、波が撮影をじゃまします。
カメラが揺れる揺れる。
縦に、横に・・・。

クジラにはあまり近づけないので、望遠で撮影しますが、揺れるので、うまく撮影できません。

でも、まあ、何とか撮影。

聞いた話によると、数年前、同じこの場所で、某日本のテレビ局が、クジラに非常に近づいて無謀な撮影をしていたとか・・・。
ブレない映像を撮影したいのは、気持ちとしてすごくよく分かりますが、
それは、いけません。

今度は、クジラのブリーチ(ジャンプ)を撮影します。

ドンさんに「ブリーチを撮影します」と言うと
ドンさんは、笑いながら「運が良けりゃ」と言います。

ブリーチは、見えるのは一瞬。2〜3秒。です。
カメラを構えた時には、すでに終わっています。

どうするかと言うと、予測して、カメラを回しっぱなしで待つ。
待つ。
待つ。

ここだろうと予測し、あてもなく海を撮影し続ける。

揺れる。

「あー、気分悪い」

揺れる。

待つ。

ファインダーに目を付けているので、右目の視力が落ちます。

待つ。

すると!どっかーーーん!ブリーチ!

撮れるには撮れたが、うーーーーーーーーーーーーん、揺れてる。

もうワンチャンス!

(この間、結構長い時間です)

ドッカーーン!

よっしゃ!

いつの間にか松本さんが後ろでガッツポーズ。

しかも2連発!

日本に帰って見るのが楽しみです。
(でも、揺れてるからなあ)

クジラの撮影で、予定よりも時間が遅くなっています。
また本当に美しい風景を眺めながらボートは進みます。
こんな風景を当たり前に見ていると、いつの間にか当たり前になるんですかね・・・。

ようやく、ブラザーズ島が見えます。
ブラザーズ島は、岸のそばまで船が近づけるので、
松本さんのボートで荷物を運ぶのは、 数十メートルのみ。

松本さんのボートは、海藻をよけて海岸に近づきます。
長靴を履いて、荷物を運びます。

重い機材やバッグを砂浜を何度も往復するのですが、
これは、まさに虎の穴の特訓!みたいな感じで、
足腰にめちゃくちゃ堪えます。

・・・が、松本さんは、まったく平常。
30キロくらいある、ボートのエンジンもヒョイと持ち上げ、
砂浜をヒョイヒョイと運びます。
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荷物を降ろすと優しいドンさんは帰って行きます。
往復すると15,6時間。
本当にありがたいです。

ブラザーズ島は、その名の通り兄弟島。
もうひとつ、島があります。
さらに、子どもの島が周辺に無数にあります。

砂浜は1か所。
後は、ごつごつした岩とか石。

この島には、熊は住んでいません。

お隣の大きな島には、1.5キロ四方に1頭の割合で熊が住んでいるだそうです。
熊の島みたいなもんですね。
怖い。

でも、アラスカの人は、テント張ったりするらしい。
驚きです。

ちなみに、松本さんがいつも相談する(本当に何か分からない事があるとすぐ松本さんは大山さんに電話します)大山さんによると、
熊は100キロメートルくらいは泳ぐんだそうで。
用心に越したことはないそうです。

さらに、お隣には、トドの島があります。
その鳴き声が、グヲー!ぐをーっ!とやかましく聞こえてきます。
四六時中、宴会をしているぐでんぐでんのおじさんたちの集まりみたいなイメージ。(余計に分かりにくい・・・)

ちょっとここで寄り道ですが。
アラスカの海は、本当に美しい。
この無人島も小さな島に囲まれて、長い海岸。
夏、太陽の日差し。美しい海に、美しいビーチ…と言えば、やっぱり海水浴でしょ!

と・ところが。
ダメなんです。

水温がものすごく低いんです。

30分間、海にいると死んでしまうんくらいなんだだそうです。

確かに海に手を入れるとすごく冷たい。

あきらめます・・・。
(もし暖かくて泳げたら、アメリカの人が観光で、アラスカに殺到するんでしょうね)

本当に、いい天気、美しい風景。無人島。

砂浜から、一歩。
本当に一歩森に入ると、別世界。

宮崎駿の「フカイ」(風の谷のナウシカ)の世界です。

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この風景は、ちょっとないです。
ちょっと見られないです。
絶対に見られないです。

何と表現すればいいのか。

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高級な絨毯の下に羽毛を敷き詰めたような感触の地面。
地面は、淡いグリーンの苔。
木は、どれくらいかけて成長したのかわからないような老木。
老木は、朽ちて、木が崩れ、倒れ、その上にまた苔が生える。
本当に森が生きている事をこれでもか、と言うくらい実感させる森なのです。
その上に寝っ転がると、自然に吸収されていくかのようです。

感動です!

感動です!

座って見たり、寝っ転がって見たりすると、また、世界が変わります。
朽ちて倒れた木は、その形のままに苔が生え、その中に、新しい木の目が。
近くで見れば、そこには小宇宙が。

と、美くしいと気をとられていると・・・

あちこちに鹿のウンチが・・・

気をつけよう!

松本さんは、手際よくテントを張ります。

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平地を見つけて、僕のテントと松本さんのテント。
そして、食堂用のタープ。

松本さんは、猿のように(失礼)木にするするとよじ登り、タープを設営。
邪魔になる枝は、切ったりしません。
うまく、よけて張ります。

気によじ登る松本さん サルより上手かも

2,3時間でテント設営。

ところでここでまた寄り道ですが、

普通、考えてみて下さい。
松本さんほど、テントで生活している人っているでしょうか。
考えてみると、すごいことです。
テント生活のエキスパートです。

前述しましたが、松本さんは超綺麗好き。
テントの中もそうです。
綺麗に整頓されて、日本間のような佇まい。(これはちょっと言い過ぎか・・・)
本当にきれいなのです。

このテントの中で、1ヶ月間、松本さんは、暮らすのです。

寒さについても、日本にいると寒いと、暖房をつけますが、
体を温めるのは、自分の体。

暖がとれるのは、豆雑炊を食べるくらい。
後は、服で調整するとか、寝袋に入るとか、
そして、自分の体のエネルギーで体を温めるしかありません。
外から温めてくれることはないのです。

テントも設営でき、そうするとお腹も減ってきます。
さあ、晩御飯です。

今日のごちそうは・・・?

そう、また、豆雑炊。
あらー、また豆雑炊。
豆雑炊。
豆雑炊。

なのです。

松本さんは、これまた大量の豆のかけらと、1分で炊けるというパサパサのお米を持ってきています。

ところで・・・食料は出しておくと、島のネズミどもがやってきてかじってしまうらしいのです。
松本さんは、バッグパックに厳重に大量の豆のかけらとパサパサの米をしまっています。

また、話が脱線しますが。
バッグパック。とかリュックサックとかいうと、皆さん、あの登山の時のリュックサックを想像しますよね。
でも、松本さんのは違うんです。

完全、防水。
めちゃくちゃ丈夫なビニールでできているバッグパックなのです。
赤とか緑とか青とかで、形は、広げると円筒形やしかっくっぽいものも。
アラスカを旅している人は、これが多く、よく見かけました。
確かに、雨に濡れたら、服や寝袋大変ですから。

それから、脱線話もう一つ。

以前も書きましたが、
アウトドアで扱っている服やカッパなどは、
実際にアラスカで使ってみると、なるほど!
うーーん。そういう事ですか。
と言う事がたくさんあります。
それくらい、実践に基づいて作られているんですね。
いやー、高いだけはある。

ちなみに、長袖Tシャツなのですが、日本で買っていったものは、すべてNG。
結局、松本さんに教えてもらってピータースバーグのアウトドアのお店で買いなおしました。
すると、別物。
一番下にその長袖Tシャツを着て、その上に半袖Tシャツを着て、その上にフリース、その上にフリース、その上に羽毛、その上にカッパ。
みたいな着方をすると寒いと、順次、重ね着できて、暑いと、順次、脱いで行けばいい。
その時にキーポイントになるのが長袖Tシャツだったなんて。
これも経験してみないといけないですね。

ちなみにパタゴニアのTシャツで、暖かく、しかも、すぐに乾く。
厚みも3種類あって、微妙に調整できるようになっています。

値段は5,000円程度。
普段、ユニクロにお世話になっている僕にとっては、痛い出費ですが、使ってみると、損はしてません。

話戻って、豆雑炊ですよ。
豆雑炊。

松本さんは、豆雑炊に大量のふりかけを入れて、かき混ぜ、味をつけて食べています。

松本さんと僕の会話
僕「松本さん、また豆雑炊ですね」
松本さん「そうですよ。毎日ですよ」
僕「しかし、豆雑炊は、ご飯にしては甘いですよね」
松本さん「そうですかね・・・」
僕「甘いですよ」
松本さん「豆の甘さでしょ」
僕「そうですよ。豆の甘さですよ。」
松本さん「まあ、それでも豆雑炊ですよ」

そこで、僕は、甘い雑炊の仕組みにハタと気づきます。

僕「分かった。これって、考えてみると、パサパサご飯の雑炊の後に、デザートでおしるこを食べているのと同じじゃないですか。
  面倒くさいから、ご飯とおしるこを一緒に炊いているのと同じでしょ」
松本さん「面倒でしょう。別に炊くのは。」

そうです。
その通りです。

一度に炊ける「パサパサご飯おしるこ雑炊」とでも名付けましょう!

なんとなく味を想像していただけたでしょうか。

パサパサご飯おしるこ雑炊に、味が同じだからと、タラコ味のふりかけやカツオ味のふりかけや、カレー味のふりかけを入れるのです。
松本さんは、すごい。
いろんな意味で尊敬できます。

豆雑炊ばかり食べている僕は、ついつい。
おいしかった世俗の食べ物が頭に浮かんできます。
そして、郷里のおいしいお店の話をしたくなります。
僕「うどんといえば、やっぱり、香川のおいしいうどん。」
松本さん「ほんと、なんであんなに旨いんでしょうね。ほんと旨いですよね。僕は、うどんが大好きなんですよ。
      ところで、お寿司なんかおいしいところありますか?」
僕「ありますよ、東京で仕事していた時に取材先で食べた寿司でね・・・。いや、あのにぎりずしは、最高!・・・」

その時!

松本さん「うーーーーーー!伊東さん、この話、禁止!もうやめましょう!禁止です。ダメです。これ以上、その話は!」

あれ?松本さんパサパサご飯おしるこ雑炊、気にいってたんじゃないんですか・・・。
やっぱり、違ったんですねえ・・・。

さすがのタフな松本さんも・・・。

ついに松本さんから「旨いもの話禁止令」が出てしまったのです。

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夜、たき火をします。

奥さんに電話しなければいけないので、
たき火の場所は、テントから遠く離れた海岸。

なんと、松本さんの携帯電話がこの無人島でつながるのです。
奇跡的です。

最近、島から遠く離れた場所に住むネイティブの人たち300人ほどの村で携帯電話が使えるようになって、
そのおかげで使えるらしいのです。

本当に文明の力です。

ところが、この無人島では、電波が届くのが島のある1ポイント。
そのポイントを少しでもずれるとかからないのです。

ですから、奥さんに電話する事が最優先の松本さん。
電話出来るポイントでたき火をすることにしたのです。

ところで、たき火は、松本さんが一人の時はしないそうです。
僕がいるので、暖かいので、してくれています。

松本さんは、僕が、服を5枚重ね着している時も、
下着の上にフリース1枚なのです。

寒い。

この言葉は、多分、松本さんは100回以上僕の口から聞いたと思いますが、
本当に寒いのです。

昼間、太陽が照っていると、暑い。
Tシャツ1枚でも暑い。

ところが、夜になったり、曇りになると、5枚着ても寒い。

寒い。

体の芯が寒い、感じ。

寒いのです。

日本であれば、「とりあえず、ここは我慢して」「部屋に戻ったらあったまろう」と考えられますが、
戻るところはテント。

しかし、テントは、寒い。のです。
しかも、せまっくるしく、外は見えない。
身動きできるスペースもなく、ただ、マグロのようにじっとしているだけ。

寒いのです。

寝袋に入っても寒いのです。

寝袋に入ります。

夜は怖い。

うとうと。

すると、しゅぽーーー!!と言う音。

クジラです。目の前の海岸を横切っています。

グワーーー!ぐわーーーー!シュポッ!

トドです。目の前の海岸を叫びながら泳いでいます。

ケケケケケケ

何だかわかりませんが鳥です。

クワッ、クワゥ

もう、あたり一面、野生動物。

こんな場所でテントで寝ている自分。

宮崎駿の世界に寝ている自分。

・・・

いつの間にか寝ています。

でも、寒い・・・