先月、和歌山ラーメンを食べに行った。
というか、和歌山まで行ったので、せっかくだからと和歌山ラーメンを食べることにした。
ガイドブックに載っていて一番宿に近いラーメン屋さんはすさまじい行列になっていたので諦め、
次に近そうな、そして定休日でなさそうなラーメン屋さんを探して走った。
カーナビが示すその場所には、ほったて小屋?が立っていた。 いや、傾いていた。

写真ではよくわからないと思う。 
小屋は、傾いている。  一番右の自販機、センターラインと比較して店の傾きを感じて頂きたい。
開き戸は、開けると自然に閉まる。 
でもぴっちり閉まらず、隙間から中が伺える。 
「 ほんとにここかなぁ・・ 」 不安がよぎるが、店内は満席のうえ数名が外で待っている。
そんな時、隙間から店内に貼られた色紙が見えた 「珍百景」 ―― おー有名番組!
それどころか、中に入ると関西圏を中心にTV&ラジオの取材色紙がわんさかわんさ!
老舗の味に加え、その傾いた店舗に取材殺到。 どうも地盤沈下に遭って傾いてしまったらしい。

ぎゅうぎゅうの店内、私は壁に向かって取り付けられたカウンターに座った。
手元には、長い箸置きのような角棒があったので、箸を置こうかと思ったら
おかみさんが 「 それはね、こう使うんよ 」 と言って、ラーメン鉢の右下に敷き込んだ。 
なるほど!ラーメン鉢が均衡を保った!
確かに そのまま置いたら、ラーメンが右に傾いてカウンターを滑るか、汁がこぼれていきそうだ・・

年季の入った大将の優しい語り口は居心地良く、楽しい和歌山ラーメン体験だった。