「今日のアシスタントは ガッキーみほちゃんです!」 ・・「ゆみです。」 ・・「あ、ごめん。」

そんな失礼な紹介から始まった今夜の青春シャッフル。
ADツッチー君のピンチでアシスタントに入ってくれたガッキーちゃんは大学1回生。
「青春シャッフル」 のADは 案外大変です。
二十歳そこそこの若者では聞いたこともないような古い曲を次々検索しなければいけません。
どっちが歌手名でどっちが曲名だかも、男か女かだかも、洋楽か邦楽かだかもわかりません。
おまけに、南海放送独自の検索パソコンを使いこなさなければいけないのです。
そんなところへ、1回生が代打で送り込まれてきたのです。 
―― 今夜の放送は、修羅場になるな・・。 

放送開始1時間前、見るからにのんびりと穏やかそうな彼女と初めての挨拶を交わし、
検索シュミレーションで 早い&間違わない曲検索のコツを教えましたが、やはり遅い。
でも彼女はアシスタントの仕事をノートにびっしりと書いており、
時々それに目をやりながら私のシゴキに耐えておりました。
そんなところへリクエストが届きました。「沖雅美 ポルシカ ポーレ」
―― ガッキーちゃん、絶対知らんな・・。
と、思った私は彼女が席を離れていた隙に検索を始めました。
ポ・・シカ ポー・・レ っと。 沖・・ ポ・・ ―― なかなか出てこないな・・しょうがないか。

と、私があきらめてしばらく、ふと見ると その曲が「準備できました」の状態になっていました。
「え゛っ!?あったの?」 「はい。」
見ると、微妙に違う曲名と歌手名 「仲雅美 ポーリュシカ ポーレ」
―― それにしても、二十歳が仲雅美は知らんだろう・・ 沖雅也との区別だってつかないはず。
近年、若いADさんは簡単に「この曲ありません」と言うので、「もうひと押し調べろ」と、
違う検索の仕方を教えたりするのですが、彼女にはそれが必要ありませんでした。
ガッキーちゃんは私さえしない調べ方で探し出し、そして当たり前のように準備したのです。
私はちょっと感動して、「あなたはもう今日分の働きをしました。」 と言いました。
彼女は ポカン としていました。

すべての仕事を終え、帰り際、
 「 あの・・私、寺尾さんと仕事ができると思いませんでした。
  私、県外から愛媛に来て、初めて聞いたラジオ番組が青春シャッフルだったんです。」
・・・なんて偶然。 なのに ガッキーみほ・・ 「 ゆみです。」   あちゃー。

ごめん、 今日は、ありがとう。