「 痛ッッたーーーい!」

突然走った痛みに叫んだ
私が急に大きな声を出したので
「 英子ちゃん!大丈夫!?」 と
あっこちゃんが何事かと本気で心配してくれた

痛みを感じながら
瞬時にこの痛みの原因がわかった
私はゆっくり右足を持ちあげながら
靴の裏を見た

見事に 画鋲が 刺さっていた
靴底を貫くほど長い針の画鋲

画鋲をえいやと抜きながら
私は先輩女優のイジメに耐える
新人女優になった気分だった

 「 こんなことで負けないわ・・・ 」

寺尾は今日も 一人芝居