「今日は、Sちゃん宅で お鍋です。」
人影もまばらな会社で生放送前にボソボソ晩ご飯を食べるのも味気ないので
会社に近いということもあり、私も急遽お邪魔させて頂く事にした。

まだ新しいマンション。
うわ〜っ♪お邪魔しま〜す!なんて言いながら靴を脱ごうとしてハッ!とした。
―― 今日に限って 5本指・・。

いや、5本指ソックスが悪いってわけじゃない。
最近は おじさんだけでなく、キレイ女子の間でも市民権を得ている。
私だって半年前に、わざわざ買った代物だ。
そして今朝、ソックスBOXを開けた時 なぜかこの5本指が目に止まり、手にとってしまった。
―― しばし沈黙。
「今日は靴を脱ぐことはないな、うん。」 と確認してから はいたことを思い出した。
買ってかれこれ半年、持ってることさえ忘れかけた頃に履いてみたら、脱ぐことになった・・。
どんなに健康を気遣っていたとしても、好きな人にはあまり見られたくない。
―― ま、いいか。今日は女子ばっかりだし。100年の恋が冷めることもなかろう。

しかし鍋を始めようにも、土鍋係のNちゃんがまだ来ていなかった。
「 遅くなってすみませ〜ん。」
少し遅れてやってきたNちゃんの足元を見ると、なんと!5本・・だった。
・・私達、お揃い? ・・微妙。
Nちゃんはキレイ女子というより、少しオッサンが入っている。 
お揃い・・たくない。

今度から5本指ソックスを履く時は、いつでも履き替えられるように、網タイツを所持しておこう。(←嘘)