『壊れかけのラジオ』

In Categoryヒコヒコ日誌
By田中和彦

南海放送ラジオが毎年この時期にやっている「おやこ交通安全教室」。

40年前に当時のアナウンス部長さんが始めたイベントでした。

したがって当時新人アナウンサーの僕は、ご一緒に分校を含めて県下ほとんどの小学校を廻って、運動場に旗を立てたりしていました。

なんでアナウンサーがこんなことを・・と思っていたのですが、結果としてそれは役に立ちました。

初対面の方。特に田舎の人は自分の出身を恥ずかしそうに言う癖があります。

「そこって、〇〇小学校のあたりですか?」

「はい、その小学校は母校です。なんでご存じなんですか」

「行った事ありますもん・・・」という具合に会話が始まります。

“人生の経験に一つの無駄などない”

そうよく言われるけど、そうだよなと。

今日は創立145年の松山市立宮前小学校の新入学児童104人を前に、戒田節子アナウンサーの定年退職前の最後の仕事にご一緒しました。

「おばちゃんと一緒に歌を歌いましょう!!」

お姉ちゃんと言わずにおばちゃんと言い出しましたよね、と隣の専務さんと微笑みました。

今。AI スピーカーからは「壊れかけのRadio」が流れています。

ラジオも、思い出も、そうそう壊れはしないものです。

※「壊れかけのRadio」徳永英明 1990年