『キャロルの幻聴』

In Categoryヒコヒコ日誌
By田中和彦

思えば、1972年に初上京しました。

入ったサークルWAK(早稲田大学アナウンス研究会)での最初の仕事は
一年間の部費を稼ぐ為のコンサートイベントでした。

場所は神田共立講堂。
かつてのフォークの殿堂です。

昨日、40年以上ぶりにその前に立ちました。

神田共立講堂

1972年は当時の担当者の英断で、出始めたばかりのキャロルと契約し、
フォークでなくロックコンサートになりました。
キャロルに火がついたばかりでしたから、チケットは苦もなく完売。

しかし、楽屋や会場が壊され(笑)、会館からきついクレームがきたのも忘れられない思い出です。
ギンギンに尖っていた矢沢永吉はまだ、駆け出しのロッカーで、
今のような大御所になるなんて思いませんでした。

建物の前に立つとあの日のエレキ音や女の子達の嬌声が聴こえてくるようでした。

「拓郎か、六文銭か、グレープにしたら良かった…」と、サークルの幹部たちが反省していましたっけ(笑)。

キャロルの幻聴。そして、神田共立講堂。

まだ、生きているんですね。

ほろ苦く…嬉しかったです。

「神田共立講堂」
1938年(昭和13年)3月落成。
1970年代には日本のフォークシンガーの聖地とされ、ここでは吉田拓郎、
かぐや姫、アリス、ガロといったアーティストがコンサートを開催した